ルアー情報
バルサルアーを考え
バルサ材の質を見る
バルサ材料から見たルアーであり、○○○メーカーの***ベイトというお話では有りません。
ルアー材料のバルサ材は身近な材料としてもホームセンター、各釣り具店、模型店なで購入できるとても身近な材料だと思いますが、バルサ材料とひと口に言っても実は、バルサ材の中にも【堅さや比重】が多く、製作者が選ぶ【質】などでも変わります。
バルサ材、材料の特長やメリットやデメリットなどもなるべく簡単に説明します。
この内容は個人的な見解とさせて頂きます。
模型飛行機から大型の船まで
例えば、模型飛行機「グライダー」などは強度と軽さを求めた物として、とても有名ですし、お手軽に製作出来る物からハイエンドモデルまで有りますが、幾らハイエンドモデルとはいえ、材料に使用しているものは、やはりバルサ材で、ハイエンドモデルは【見た目の質感やバランス】の良い【狂い】の少ない良質なバルサ材で、やはりそのぶん一般のバルサ材より高価な材料になります。
一般の方からすれば、バルサ材に其れほどの違いが無いようにも見えますが、木材全てに等級があるように、バルサ材にも「等級」などがあります。
また特に堅いバルサ材は、大型の飛行機、船の模型などと色々に幅広く使用されております。
バルサ材の等級や質
材料の見た目や質感などは
AAA材、AA材、A材、AB材、B材、C材 、などで表しますが、一般的な表し方としては、堅さや比重などで確認ができ、こちらの方が分かりやすいかも知れません。
記号、比重
- SS 0.10〜SM 0.18
- M 0.21〜MH 0.24
- H 0.26〜HH 0.29
バルサ材の記号の方が多く記載されておりますが、
この記号や記載はメーカーにより異なります。
このようにバルサ材でも色々あり、使用目的や製作する物により、より良く使い分けが出来るのがバルサ材です。
ルアー製作用として私がお勧めする物は、
AB材、B材、C材くらいで、比重が、MH.0.24、
H.0.26 、HH.0.29 くらいの物が、ルアー製作に適していると思います。
このH材からHH材の材料【ハードバルサ材】を実際のTADルアー製作に使用し、またハードバルサ材の
【切り落とし】材料としても各サイズで販売しております。
プロビルダーさんからの指名
私も最初の頃は、いろんな堅さのバルサ材でルアーを製作していましたが、フィールドで使用する物としては、「H.026かHH.029以上の堅さ」がある物が
【全体的に】バランスが良く、また何より耐久性に優れていると言うことで、このバルサ材をHH記号の
【ハードバルサ材】を使用しています。
このハードバルサ材にも、もちろん欠点があり
【木目が大きくなり、バラ付きや芯材特有の堅さ】なども有ります。
また幾ら同じサイズの物やウェイトを仕込み、綺麗に仕上がったルアーでも「塗装工程まえ」の乾燥後に「微調整」を繰り返さなくてはならないことなどが有ります。
もちろんハードバルサ材では無くても微調整は必要な作業です。
なにかと手間の掛かるバルサ材でのルアー製作ですが、総合的にみても良い材料であることは間違い無い物でもあり、また私の知る限り、多くのプロルアービルダーさん達もハードバルサ材の流通が余り無い物だということを知っており、ハード系バルサ材を見つけては「ストック材料」としております。
バルサ製ルアー編
ルアー材料の代名詞とも言えるのが、バルサ材製ルアーで特に【リアル系】のルアーに多く使用されている傾向が有ります。
なぜバルサ材はルアー製作に多く使用され、また適している材料として選ばれている大きな理由が二つほどあります。
バルサ材特有の「レスポンス」と「成形、製作が簡単」なことなどが考えられます。
リアル系が多いことは、 クリアウォーターでのトラウトやサーモンに使用する「ミノーやジャークベイト」を作っていた方が、バルサ材の【高浮力】を活かして製作していたことが始まりのように思います。
それまでのミノー系ルアーと言えば「ウッド材」が多く、子供の頃に見た ぼろぼろのルアーが、ウッド製だと記憶しておりますが、正直言って、この頃 おじさん達が使っていたルアーが何処のメーカーだったかも分かりません。
ウッド材では、どうしても全体的にアクションが「重く」なる傾向があり、幾ら「ノンウェイト」のフローティングタイプでも「ワン アクション」遅れて浮き上がってしまいます。
その点バルサ材ではバルサ材自体が「軽く」ウェイトの入れ方や配置にもよりますが、すう通りの浮き上がり方もでき、浮き上がるレスポンスも向上し、数百通りの考え方ができるようになります。
ミノーを製作する際の第一条件として、ハイフローティングやフローティングモデル設計とした時に、バルサ材を選ぶことにより最適な材料になります。
またバルサ材は軽量な材料で【切るや削る】といった作業も簡単で速くなり、製作する本数も必然的に多くすることができますが、その逆に、本数は少なくなるが【1本のルアーに多く時間を掛け】リアルな装飾物に仕上げる方向性の考え方もできます。
これは製作者の考え方や見解で変わると思います。
ハードバルサはHH材を使用
TADはハードバルサ材を20年以上使用しております。
【TADルアーが使用しているハードバルサ材は、バルサ記号「 H & HH 」
比重は、0.25〜0.29位の物ですから、ビッグベイト製作もできます。
よく桐材と比較されますが、
桐材の比重は【0.23〜0.25位】です。
幾らハードバルサ材と言えども、下地処理などたいへんなことも沢山ありますが、それでも他の「ひのきやひばなどの銘木材」よりハードバルサ材は他に類似ない、より優れた材料です。
バルサ材を材料にしたとき
メリット
バルサ製ルアーの最大の特長は「浮力」にあり、
この浮く力を利用したフローティングタイプの代名詞となっている物がペンシルベイトで、名作も数多く有り、各地のレコードフィッシュを釣り上げています。
バルサ材の凄さは、製作の良さ、速さはもちろんですが、例え壊れても修理が複数回は出来るということです。
過去に一番多く修理した物で「8回」は繰り返したルアーも有り、流石に9回目には「置き物」飾り物にした経験が有ります。
このことからハードバルサ材ルアーは「購入」した時は高額に感じても、永く使用することで、1回の「ワンシーズン」のコストも抑えられる物だと思います。
もちろんこれは製作している側の意見かも知れませんが、私もルアー釣りをやっている者だからこその考え方です。
修理してまた使うことの良さも感じていただきたいです。
製作や修理をやっていないと分からない事かも知れませんがね。
デメリット
バルサ材が加工しやすいイコール「キズやへこみ」が出来やすいということや、木材自体が水に弱いということもあり、ルアーに加工した後、水対策を考えなくてはなりません。
このことはウッドやバルサ製ルアー材全体的に当てはまることですが。
バルサルアーの総合点
【プラス80点】は何と言っても
昨今のルアーで見ると「人気」や「認知度」などになりますが、製作情報が多くなりバルサ製ルアーを多く見かけるようになり、初心者の方でも気軽に購入が出来る商品や価格帯となってきていることです。
もちろん以前と比べればですが。
【マイナス20点】はどうしても
バルサ材全体的にバラ付きがあることやメーカー側が「プレミアム商品」にしていること。
またウッドやバルサ製ハンドメイドは「固定ウェイト」になり、このウェイト方式に慣れない方が多く、直ぐに「飛ばない」ルアーだと決めつけてしまうことなどです。
実戦的な練習などはせず、イメージだけで終わらせる方も多いように思います。
全体でみて
これも少し厚かましいことかも知れませんが、昨今のフィールド状況や社会的な問題で、今は余りプラスチック問題や溶剤のことなどに【目】を向けらていませんが、数年前の様にまたフィールドのルアー問題が取り上げられる気がします。
レジ袋の廃止やプラスチック製ルアーのことが取り上げられる日も近いと感じております。
一見するとウッドやバルサ製ルアーには、関係無いようにも見えますが、その裏では、溶剤やウッドショック関連に繋がってしまいます。
このような問題が、大きく取り上げられないように今から、少しでも対処できるよう、1人ひとりが、出来れば使用するルアーをひとつでもウッドやバルサ製に変えてみれば良いと思います。
また大手メーカー側も、もう一度考える必要がある時だと感じているからです。
今回はバルサ材ルアーについて少し考えてみました。
全てとは言えませんが、こんな感じでしょうね。
皆さんは、どう思いましたか?
新規 ルアー購入の目安に、また多くのウッドやバルサルアーを使用して頂ければ幸いです。
今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
楽しいフィッシングライフを!
Good fishing and good luck!
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